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アライグマ対策基本方針 找轻变传奇| 環境生活部環境局生物多様性保全課

  

最終更新日:2014年9月25日(木)

北海道アライグマ対策基本方針

平成15年3月策定(平成21年2月改正)

 北海道環境生活部環境局生物様性保全課

はじめに

牛舎に出没したアライグマの親子の写真。

アライグマは北米原産の動物であるが、テレビアニメーション番組の放映もあり、ペットとして日本に輸入され、昭和60(1985)年頃に販売のピークを迎えた。
その後これらのアライグマが逃げ出したり捨てられたりしたことが野生化の原因になっている。
北海道におけるアライグマの最初の野生化は、昭和54(1979)年に恵庭市内において飼育されていた10頭程度のアライグマが逃亡し、酪農地帯に定着したのが始まりと言われている。
その後も道央部を中心に逃亡等が続き、野生化したアライグマが生息域を拡大していったと考えられる。
道内では平成5(1993)年度に初めて農業被害が報告され、平成10(1998)年度には3,000万円程度の被害額になっている。
道では、平成11(1999)年度から緊急対策としてアライグマの捕獲等に取り組むとともに、アライグマ対策検討委員会を設置し、排除に向けて、対策方針や具体的手法等について検討を重ねてきた。
一方、国では、第6回生物多様性条約締約国会議で採択された外来種に対する指針原則を踏まえ、平成14(2002)年に「移入種(外来種)への対応方針」(以下、「外来種対応方針」という。)を策定し、「外来種の管理を検討する場合、その影響と程度に応じて、明確な管理目標を設定した管理計画を策定する必要がある」とした。
また、平成17(2005)年には、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(以下、「外来生物法」という。)を施行し、アライグマなど特に侵略的な外来種を「特定外来生物」に指定し、それら特定外来生物の飼養等規制や防除を行うこととした。
さらに、外来生物法に基づく「特定外来生物被害防止基本方針」(以下、「特定外来生物基本方針」という。)の中で、「既に定着し被害を及ぼしている特定外来生物については、被害の程度と必要性に応じて生態系からの完全排除、封じ込め等の防除を計画的かつ順応的に実施する。」、「地域の生態系に生ずる被害を防止する観点から地域の事情に精通している地方公共団体や民間団体等が行う防除も重要であり、これらの者により防除の公示内容に沿って防除が積極的に進められることが期待される。」などとして、特定外来生物に係る取り組みの方向性を示した。
このような状況をふまえ、北海道内におけるアライグマによる生態系への被害を防止するため、その対策の基本方針を策定するものである。



第1章 基本的な考え方 1 アライグマ対策に関する理念と目的

国内又は国外の他地域から、野生生物の本来の移動能力を超えて、意図的非意図的にかかわらず、人為によって導入された種である外来種が、地域固有の生物相や生態系に対する大きな脅威となっている。
北海道においても外来種であるアライグマが野生化し、道央部を中心に繁殖し、急速に分布を全道に拡大しており、農業等被害の増大や、生態系への影響も報告されており、現状を放置すれば、膨大な農業等被害を引き起こし、人間生活に影響を及ぼすアライグマ回虫等の伝播、さらに在来種の捕食駆逐といった生態系の攪乱等、生物多様性への影響が懸念されることから、次の3点を基本的な目的として、対策を実施することとする。

 アライグマ対策の目的

生物多様性の保全
健康被害の防止
アライグマによる農業等被害の防止


2 対策の最終目標

アライグマが生息している限り、上記の目的を完全に達成することは困難である。
また、「生物多様性条約」には、「生態系、生息地若しくは種を脅かす外来種の導入を防止し又はそのような外来種を制御し若しくは撲滅すること」が、基本的な方向として示されている。
これらのことから、北海道におけるアライグマ対策の最終的な目標は、次のとおりとする。

 アライグマ対策の最終目標

「野外からの排除」



第2章 北海道におけるアライグマの現状 1 生息状況

生息情報の推移

生息情報または目撃情報のある市町村数は、平成4(1992)年度に13市町村であったが、平成20(2008)年7月には128市町村に拡大した。(市町村数は平成18年4月1日現在の全180市町村を基礎とする。)

 


2 被害等の現状

生態系への影響

野幌森林公園では、アオサギのコロニーが消滅した原因としてアライグマの影響が疑われているほか、絶滅の危機に直面しているニホンザリガニの捕食、タヌキの生息数の減少が確認されており、直接的な在来種の捕食のほか、生息環境が類似する在来種の駆逐が懸念される。
道東では、天然記念物であり絶滅の危機に直面しているシマフクロウの営巣木付近においてアライグマの足跡が確認されており、繁殖等への影響が懸念されている。
世界自然遺産に登録された知床や、天然記念物でありラムサール条約湿地である釧路湿原の周辺などにおいても、アライグマの生息が確認されており、貴重な生態系への影響が懸念されている。

動物由来感染症の伝播のおそれ

道内で捕獲されたアライグマから、肝障害を引き起こす可能性のあるレプトスピラ、皮膚病である疥癬などが確認されており、人に感染するおそれがある。
道内で捕獲された個体からは検出されていないが、狂犬病やアライグマ回虫など、人間に感染すれば死に至ることもある感染症や寄生虫を媒介する可能性がある。

農業等の被害
平成5(1993)年度に、初めて農林水産業被害(以下、「農業等被害」)が報告され、10(1998)年度以降、農業等被害額は毎年3,000万円台で推移している。


3 現状における課題

市町村からの生息情報及び捕獲状況並びに被害報告等から、アライグマ対策について、現状では以下の課題がある。